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今後の弊社事業展開について

  • 雨宮 英介|AMEMIYA, Eisuke
  • 2020年4月28日
  • 読了時間: 4分

新型コロナウィルス(SARS-CoV-2/COVID-19)流行に伴い、緊急事態宣言が発出されて以来、生活が大きく変わった方が多いのではと拝察しております。このウィルス流行が契機なのではありませんが、以前から少しずつ考えてきた弊社の今後の事業展開について、ご理解をいただきたくブログにてお伝えしたく思います。


「展開」というほど弊社の事業規模は大きくありません。弊社は極小企業ですが、良く言えば「いくらでも小回りが利く、身軽さ」「何にでも変身できる」が持ち味でもあり、それを活かしてできることを考えております。


このウィルス流行を契機に、カウンセリングを利用される方々と物理的に直接対面せずにお話をうかがう方法・図式をわたくし自身が体験することとなりました。直接お会いできないことで、カウンセリングの効能や意義に少しずつ影響が及ぶことは承知していますが、間接的にお話をうかがうことも不可能ではないのだ、とも実感するようになりました。もちろん、直接対面でお話をうかがうことの意義や効能は確かにありますので、いずれその機会も復活させるつもりです。


わたくしの極めて個人的な感覚で恐縮ではありますが、昨今の日本社会は閉鎖空間化しており、特定の集団・価値観に収まっていると窮屈に感じることが多くなっています。わたくしはこれまでの臨床的経験の中で、窮屈で閉鎖的空間に押し込められている人を見ると、やや衝動的にと言えるほど、そこから何とかして解放したいと思ってしまうようです。それさえ果たせれば、特にわたくしがカウンセラーとして何かしなくても、あとはその方がもともと持っている健康的側面が自然と発揮され、活力を得、やりたいことを発見され、強い動機付けを持って生活を送られるようになるのだ、と確信しています。閉鎖空間の中に閉じ込められた人をそこから開放することが、心理臨床従事者としてのわたくしの責務と捉えております。


そのような経緯があったのと同時に、この10年ほどずっと心の片隅で気になっていた社会構造上の問題があります。それは、過疎地・僻地の精神保健の問題です。最近偶然訪れた土地で、周辺より自殺率が高く、慢性的な精神保健不全が横たわっていることを知り、それへの問題意識がわたくしの中で急に高まってまいりました。過疎地・僻地も、閉鎖空間化しやすい条件を孕んでいます。


そこで、弊社の今後の事業展開の可能性の一つとして、僻地・過疎地現地に事業所を設け、そこを拠点に現地の精神保健サービス「のお手伝い」ができないだろうか?というアイディアに至りました。具体的には、以下のような事業・活動を考えています。


1) 遠隔カウンセリングの提供

インターネット回線を利用した遠隔地に住む方々へのカウンセリングの提供。心理臨床サービスが行き届かない僻地・過疎地へのカウンセリング提供を行う。


2) 巡回型出張カウンセリングの提供

各自治体と協力し、現地に潜在的に埋もれている精神保健リスクが高い方をピックアップし、まずはお会いして、苦痛に感じていることについてお話をうかがう。


3) 巡回型出張心理査定の提供

各自治体・教育機関と協力し、現地に潜在的に埋もれている神経発達障害の可能性がある方をピックアップし、希望される方に対して心理検査(知能検査)・発達検査を実施する。必要に応じて教育機関・行政機関へ出張し、現地で検査を実施する。


4) 各地域の精神保健状況の調査・報告と、それを踏まえた自治体への提案

各地域を巡回し、その地に長く根ざしている産業に従事する方からお話をうかがう。その産業がどの程度地域的アイデンティティとして根付いているかを聴き取り、その産業に携わることがどの程度従事者の精神保健維持・向上に資しているかを調査する。


5) 不足している精神科医療ケアの補完事業

各自治体にある精神科医療資源へ(公立病院の場合は自治体を経由して)アプローチし、上記2)および3)の形式で弊社が補完しうる事業を請け負い、代行する。


6) 地域特性(地域の良さ、売り)の掘り起こしと商業化提案

弊社が第三者として、地域の良さ・地域に根ざした産業の良さを掘り起こし、地域の新たなアイデンティティとして根付くよう支援するサービス。特に、人口流出に伴って後継者が不在となり、廃業の危機にある産業に対し、本来その産業が「もし持続できるのなら」持ち得る良さを明確化し、具体的な産業再活性化へ繋げる。


以上が今後の弊社事業展開に関する展望です。精神保健資源が行き届かない僻地・過疎地へ心理臨床的アプローチを媒介として介入し、長期的には地域活性化に結びつけたいという、なかなか壮大な展望ですが、項目が低い順に草の根水準からできることを少しずつ展開していきたいと考えております。


さて、これが収益拡大になるのかというと、それはほぼ見込めないだろうと思います。上手くいったとしても、わたくしが存命の間は難しいのではと見越しております。それでもなお、これらの事業を展開する意義が十分にあると考え、このように計画しております。

 
 
 

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